すきって言って



本当は何の用事もない。


この後どうしよう。羽月ちゃんも帰っちゃっただろうし。



まだ、教室にも戻りたくないし



「うぅ……ひっく……」


お姉ちゃんになれたら…って何回も思った。



神様は意地悪だ、双子なのにこんなにも違うなんて。



空き教室の窓からグラウンドを見ると、優志くんとお姉ちゃんが歩いてるのが見えた。



「良かったね、優志くん」


鳴瀬くんにも言ったのかな。2人にして欲しいって。



明日から登下校は1人…仕方ないね。


羽月ちゃんと一緒が良かったけど家真逆だし。


心にぽっかり穴が空いてしまったみたい。