「うっ…うぅ…」
私振られたんだよね。
優志くんはお姉ちゃんしか見ていない。
私なんか……
──ブーッブーッ…
電話だ、お姉ちゃんかな。
ポケットからスマホを取り出すとやっぱりお姉ちゃんからの電話だった。
『もしもし絃?今どこにいるの?』
「うん…ちょっと」
『絃、もしかして泣いてるの?』
「泣いてないよ、私用事あるから優志くんと先に帰ってていいよ」
『帰り1人で大丈夫?』
「大丈夫だよ」
『それならいいけど…(泉さーん!!)』
電話の向こうで優志くんの声がした。
私はそのまま、電話を切った。
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