あれこれ考えていたら、いつのまにか教室に着き、多分あの感じだと言われたくないだろうから先生にはとりあえず堀田は大丈夫そうだと伝えて席に戻る。

残りの問題をそそくさ終えるとちょうどチャイムが鳴り1時間目は終わった。




「おーい、お前ほんとに保健室行きやがったな〜。」


授業が終わって早々に颯が声をかけてきて、俺が本当に保健室に行ったことを言及してきた。

「仕方ないだろ。怪我したんだから。」

「あー俺もサボりたかった。」

「話を聞け。」


こんな会話は日常茶飯事でけっこう楽しかったりする。




「あ、今日さ欲しい漫画あるから本屋寄って行ってもいいか?」

俺と颯は部活は違えど、オフがかぶっている日はいつも一緒に帰っている。

「…あぁ、ごめん。今日、放課後予定あるんだよ。」


予定と言っても、春日に少し話を聞きに行くだけだが…。


「そうなのか。了解!っと、堀田。」

「またなんか絡んでんの?」

そう言ってケラケラ登場したのは堀田だった。

「月斗が今日は一緒に帰れねーっていうからさぁ。」

「そういう日もあるよ!」

「だな。」

「あ、さっきの話の続きなんだけどー」



さっきまで泣いていたとは思えない顔で話を続ける堀田。

腫れも引いたのか、泣跡もさっぱりなく、気のせいだったのかと思うくらい明るい。



「やべ、授業の準備してねーわ。また後でな。」

「はーい。」


次の授業の準備をしていない颯によって2人の会話が終了し、俺は堀田の顔を伺う。


「……堀田、」

「さっき!なんで保健室きてたの?」

意を決して話しかけようとしたが、あっちから話をふってきてくれた。

「え、あぁ…怪我した。」

「怪我?なんで?」

「…シャー芯が指に刺さって」

「ぶはっ、どーやったらそうなるのっ!」

盛大に吹き出し、笑い声をあげる堀田。




その姿になぜか無性に腹が立ち、俺は思わず強めに言ってしまった。







「なんでそんなにヘラヘラ笑ってんだよ。」