「で、お前は千星のことどう思ってんだよ。」
三人で並んでご飯を食べ始めてすぐに今朝の話を蒸し返してくる颯。
俺は面倒臭くて返事をする気にもならなかったけれど、このまま無視をしても颯はしつこいからなと思い仕方なく返事をしてあげる。
「…またその話?」
「なんの話?」
呆れながらも反応してあげると真ん中に座っている颯を通り越して春日が発言する。
「いやーな?こいつ千星に気がありそーな感じでな。」
「そうなの?月斗。」
「いや。」
俺の勘的に春日は堀田に幼馴染としてではなく恋愛対象として見ている気がする。
しかし、空気の読めない颯にはそんなのお構いなしのようだった。
「あーでも、春日はどうなんだよ?幼馴染だけどよ!」
俺から話は逸れてホッとしたものの、自分が今考えていたことが颯に伝わったのかと少しドキッとした。
「僕?」
「おう。」
春日はそう聞かれて少し考ていた。
「…千星は妹みたいなものだよ。」
「間があったな。」
「いやいや、本当本当。」
その顔は少し困って笑っていた。
…やっぱりそうなのかもしれない。
「はあ…いいんだぜ?素直になっても。」
颯はわかっているよ感を醸し出しながら春日の肩に手を回し、春日の言葉を待つ。
「はは、そんなに僕信用ない?」
「あ、本当に何もない感じ?」
「んー何もないって言ったら少し嘘になるかも。」
「おー」
春日の曖昧な返答は焦ったさを含めていたがすごく真剣な顔で言葉を選んでいるようだった。
「一緒にいすぎてどういう感情かがわからないんだよね。家族としての好きなのか恋っていうほうの好きなのか。」
「なるほどな。」
「……でも、千星が誰かと付き合ったりしたらって考えると俺の居場所がなくなるみたいで嫌なんだ。」
ちょっと女々しいよね、と笑う春日。
俺はなんとなく、春日から目を背けた。
少し胸がモヤっとした。
「おまっ、それは恋愛的な意味じゃねーの。」
「はは、そうかも。」
「言葉にしたらわかるってな。」
俺は弁当の具材を箸で摘みながら二人の会話に耳を傾けていた。
このなんとも言えない気持ちに行き場がない。
「でも、そうだな…」
さっきからずっとグルグル回るこの感情。
…なんだこれ。
「僕がずっと千星を守ってやりたい。」
「っ…」
春日はこんなに気持ちをハッキリ言えるやつだったっけ。
少なくとも堀田のことで明確な気持ちを露わにするのは見たことがない。
モヤモヤする。
俺も、
俺も…?
「俺も堀田のことを守ってやりたい。」
気づいたら声に出していた。
