まあ父さんと母さんはいつもこんな感じだし…と思い、自分の中で話を戻す。
話をまとめてみると、友達とか上司とか、家族というのは同じ「人間関係」ということには変わらない。
上手くいく、いかないはあるけれどその人を選んで間違いじゃなかったって思えることが大切って感じか…。
「そっか。」
「それにしても急にどうしたのかしら?」
「何かあったのか?」
こんなに真剣に話すことは中々ないから、話そうか悩んだが結局意を決めて話した。
「……友達の両親が離婚するって聞いて、なんかそんな感じ全然なかったし…俺のところとは全然違うなって」
言葉が上手く出て来ず、拙い説明になってしまったが2人にはしっかり通じたようだった。
「家族にはいろいろな形があるものね。もしかしたら、そのお友達のお母さんやお父さんは離れたくないけれど子供のことを思って決めたことなのかもしれないわね。」
「…うん」
俺とは違う、家族の形。
堀田の両親は堀田のことを思って決めたことかもしれないし、お互いにもう無理だと思って決めたのかはわからないが、血縁とか紙面だけの契約とかそういうことではなくてこの世にはたくさんの選択があるのだ。
「家族っていうある意味“縛り”みたいなのはとても苦しいわよね。虐待っていう言葉があるように誰もがみんな温かいご飯を食べられて学校に行けて毎日違うお洋服が着られるわけじゃないかもしれない。そこから逃げ出すにも勇気が必要で、やっぱり、お父さんだからお母さんだからって置いてけないって思うのかもしれない。」
「だけど、最後は自分の幸せのために選択ができたらいいよな。」
「もう寝なさい」という母さんの声かけに頷き自分の部屋に行ってすぐにベットに入る。
俺も、あと10年も20年も生きたら父さんや母さんみたいな大人になれるのだろうか…不思議だ。
窓の方を見ると、満月の周りには都会にしては珍しく、いつもよりたくさんの星が散らばっていた。
『大丈夫だよー!って私が見守ってるから!』
あの時の堀田の声が鮮明に聞こえる。
俺はもう大丈夫だよ。
