制服を脱ぐと少しひんやりした空気が体にあたったが、それを我慢していつものようにシャツをネットに入れて洗濯機に放り投げる。
浴槽に浸かりながら母さんと父さんにまた質問攻めされることを想像し、ゆっくり入ろうと決めた。
ポチャン
「ふぅ……」
聞こえるのは、たまに落ちてくる雫の音と自分の呼吸音。
それと同時にいつもより少しだけ疲労感を感じた。
今日はいろんなことが一気にあって…というか、堀田のことを知れたことが一番大きかった。
あの時から近いようで少し遠い存在だったあいつが、確実に目の前まで手繰り寄せたような…そんな感じだった。
「…なんか女々しいな」
あいつのことを考えると、俺は俺ではいられなくなっている気がする。
