夜空を見上げて、君を想う。







相変わらず無言のままそれぞれ自分の鞄をもち、二人で職員室に向かう。











廊下は、部活を除いて生徒たちはほとんどいないため電気がついておらず真っ暗だった。










「え、暗…」







とてもか細い声でそう呟く堀田。

いつもと違う雰囲気を感じとり、振り向いて少し距離をとって歩いていた堀田を見る。










「……どうした?」











「怖い…。」


そう言って静かに耳を塞ぐ。
本当に大丈夫かと思い、堀田の方に駆け寄る。


「大丈夫か?」

「…っ」


肩を優しく掴み、顔を覗き込んで堀田の様子を伺う。




「ん…大丈夫…」




俺にはそうは見えなかった。どうしようかと一瞬焦ったものの、すぐに方法を思いついて行動する。




















カチッ

俺は運良くそばにあった電気をつけて今まで暗闇だった廊下を一気に明るくした。







自分でやったはいいが目がしょぼしょぼしてしまい、少し瞬きをしてまだ明るさに慣れない目で堀田の様子を確認する。



「…これで平気か?」

「うん…」


どうやらさっきよりも落ち着きを取り戻したようだった。



























「落ち着くまで待ってる。」



そう声をかけて堀田の隣で待つ。