夜空を見上げて、君を想う。





「おい、生徒手帳ちゃんと持ったか?」

資料室を出て職員室に向かう前に堀田に聞く。

「もってるよ!」


そう言うと、ジャーンと効果音がつきそうなくらいの勢いで手帳を掲げる。



「ほい、じゃあ行くぞ。」



ここの学校は妙に過保護。
買い出しとかは一人で行くことは危険とかの理由でダメで、最低二人は一緒に行かなければならない。そして、先生に生徒手帳にサインをもらってやっと外出許可がもらえる。





























「先生来たよー!」

「ほいほーい。」


堀田は職員室から顔を覗かせ、大きな声で有馬じいちゃんに声をかけ、サインと買い出しに必要なお金をもらう。


「気をつけてな。」

「何かあったら月斗を犠牲に逃げてくるからだいじょぶ!」


グッと親指を立てて高らかに宣言する堀田を俺は180はある身長を使い、いつもより見下す体制をとった。


「へぇ、いい度胸してんな。俺は、ちっさいお前を盾に自分の身を守るから。」

「なんだとっ!150は平均だし!」



急がないといけないのに再び論争が続いたところで有馬じいちゃんが静かに声をかける。



「まだまだお灸が必要なようじゃな?」




「「いってきます。」」




ギクっとなった俺らは声を合わせて有馬じいちゃんに挨拶をしその場を離れた。