夜空を見上げて、君を想う。


本当に職員室から英語の資料室は遠い。
疲れて重くなった足取りで資料室の扉を開けると、すぐに堀田が話しかけて来る。



「お帰りー貰えた?」


「それなんだけど、なんかラミネートもうこれしかなくてさ…。」

「え!そうなの?明日中学一年生の保護者会なのに大丈夫かな…。」


堀田は明日が保護者会ということを知っていたのか。じゃあ、話が早いなと思い早速買い出しの件を切り出す。


「明日保護者会で親とか見にくるし、それで有馬じいちゃん困ってたから…買いに行くよって言っちゃったんだよ。」


「おー、おけおけ。じゃあ帰るの本格的に遅くるね。」


ふざけてでも「えー」とか言いそうなのに意外とあっさりとした返しにちょっと拍子抜けをし、今やるべきことを言ってしまう。




「休憩がてら、今の仕事一旦切り上げて買いに行こう。」

「了解!」