二人して「あーい。」とだるそうに返事をし有馬じいちゃんが見えなくなった瞬間、バッと向かい合って論争を始める。











「ちょっと！月斗のせいで居残りじゃん！今日は部活ないのに！春日とゲームする約束してたのに！」

「元はと言えばお前のせいだろ！」

「いーや、月斗が吹いたのがいけなかった。」

「俺の日とか言って、変なこじつけするからだろ。」

「は！？こじつけ！？」





二人で永遠に終わらない誰が悪いか論争を繰り返していたら、颯が見切りをつけて声をかけてくる。






「はーい、ストップ。」


お互いに睨み合っている中間に立って俺たちを宥める颯。



「まあまあ。ほら、千星は今日のお昼ご飯はオムライスなんでしょ？楽しみにしてたんじゃないの？」

「はっ、そうだった！オムライスー！」


そう言って鞄から弁当箱を取り出していつもの昼ごはんを食べるメンツのもとへ向かって行った。

「まじでなんなんだあいつは…」



颯のオムライスという一言に弁当箱に食いつき、終わらないと思っていた会話が急に途絶える。




「とりあえず、俺らも飯にしよーぜ！」

「そうだな。」


意外と堀田の懐を掴んでいる颯を感心し、俺も鞄から弁当箱を出して颯の席へと向かった。
































そして、来てしまった放課後。

「おい、行くぞ。」

「…はいはい。」

仕方がないが、一応堀田に声をかける。
「がんばれよー」とか「ヒューヒュー」とか「千星、かわいそうに…」と涙ぐむ色々な声が聞こえるが俺は全無視をかます。

が、堀田はそれに反応してしまう。




「ちょっと！そういうんじゃないから！そんなこと言うんなら代わってよっ！」





とみんなに聞こえるように助けを求めたが、目に見える速さでそれだけは嫌だとみんな掃除に取り掛かったりそれぞれ部活に向かっていった。