「な、何を言って……?」

「まだ隠すの?飼い猫を怒鳴って、時には殴ってたんでしょ?」

自分でも分かるほど冷たい声でそう言うと、観念したのか友達は笑う。

「うん。してた……でも、殴るのは……たまに、だよ?」

「何言ってんの。何もしてないのに怒鳴るのも、悪口を浴びせるのも、俺は暴力だと思うけど」

「ふぅん……」

俺は嘲笑する友達に、鎌を突き付けた。

「さて……お喋りはここまで。飼い猫の痛み、思い知れ」

俺が大鎌を突き立てると、友達の体は崩れ落ちる。

それを見ながら、俺は呟いた。

「……体に付いた傷は、時間が経てば治る。でもね……心に付いた傷は、そうそう治るもんじゃないんだよ」