「え、まあ…」
少し驚いたように、言葉を詰まらせながらも返事をしてくれた。
えっと確か彼は…?
名前を思い出しながら席に座る。
あー、ダメだ。思い出せないっ。
仕方ないか、彼とはこのクラスになって一度も話したことなかったし。
さすがに3ヶ月経ってもまだ話したことがないのは彼だけだったから、気にはしてたんだけどタイミングがね…
「えっと…初めて話すよね?私は瀬能(セノウ)夏生。今日からよろしくね」
結局名前を思い出すことができず、とりあえず自分の名前を名乗ることに。
「あ、はい。よろしくお願いします。僕は楓 光大郎(コウタロウ)です。」
無表情ではあったが、挨拶を仕返してくれた。しかも名前付き。

