秘密主義の楓くん




みんながご飯を食べ終わり、チビ達はテレビを見始める。



「明日朝に幼稚園に送っていく時に、凛太郎くんのお弁当渡しますね。うちの前、通ります?」




「あ、はい。」



「じゃあ明日、渡します。その時に楓くんの分も渡しますね?それとも学校で渡した方がいい?」



「えっ⁉︎僕の分も⁉︎」



驚いた表情をする楓くん。



「当たり前です。凛太郎くんの分だけ作って、楓くんには渡さないなんて、私はそこまで鬼じゃないですよ」



「えっと…」



「まあ、それは私の優しさというか、ついでだと思ってもらって」



さすがに学校では渡しにくいかな?



「凛太郎くんの分と一緒に渡しますね」



楓くんが返事をする暇を与えず、私がどんどん話を進めていく。



「それと、これは私もなんですが、“敬語”やめません?」