「行こ!りっくん!!」


凛太郎くんの手を握り、悠成は保育園の外を目指して走り出す。



「こらー!悠くん!危ないから走っちゃダメー!」




そんな悠成を怒りながら、私と楓くんは2人が残したカバンを持って追い掛ける。



「あっちゃん、行くよ」


紅音の手を引いこうとするが



「どうしたの?」



紅音が一向に動こうとしない。



「なっちゃん、抱っこ」



今日の保育園で疲れちゃったのかな?


私は紅音を抱き抱える。




「悠成くんの荷物は僕が持つよ」



私が右手に持っていた悠成のカバンを楓くんがそう言って持ってくれた。




「ありがとう」