夜の薄暗い隅っこで

 



「三ヶ月ぶりに学校行くんだもん、無理しないで。しんどくなったらすぐに帰ってくるのよ、お母さんいつでも携帯持って待ってるから」

「はあい」

「町、」

「なに」



「いってらっしゃい」










 深く頷いて飛び出した朝の街

 その白んだ世界に影はひとつもないけれど





「…いってきます、君くん」





 屋根の上で膝をついて君くんが笑って手を少し振ったので

 私は笑って、光の今日に溶けるのです。