「寝癖直る?」

「んー、直らないね。」

柴原さんは可笑しそうに笑う。

「いいじゃん、可愛いし。」

「嫌だよ。濡らしてくる。」

「じゃあ俺と一緒にシャワーしよ?外暑かったから汗だく。」

「……一緒に?」

ひきつった私と対照的に柴原さんは意地悪そうな顔をする。以前も無理やりお風呂に連れていかれたことがあるが、そのときはすずもいたし、すずに隠れるようにしてささっと洗い、ロケットのごとく飛び出した。あの時も相当緊張したし恥ずかしかった。

「……恥ずかしいから嫌だよ。」

「すず寝てるし、いいじゃん。」

とたんにドキッと心臓が鳴る。
だって、だって、それって……。

「そんなに真っ赤な顔されるとこっちが恥ずかしくなるんだけど?」

「だって!」

「可愛すぎてヤバイな。」

真っ赤な顔で柴原さんを見ると、長くて綺麗な指が私の頬に触れる。そして顎を持ち上げられたかと思うとキスをされた。

少し離れて、また唇に触れる。
チュッと甘い音をさせながら、柴原さんが私をゆっくりと押し倒した。

ドキドキと心臓が音をたてる。

目の前にいる柴原さんは私を見つめる。
その眼差しがとんでもなく色っぽい。

ふいに服の下に手が延び、ビクッと体を震わせたときだった。