ポカンとする私に、圭佑さんははっとなり顔を赤らめた。

「って、いいんだよ、そんな事情は。俺が美咲を愛したい。ただそれだけだ。何か不満は?」

「…………ない。」

そう、不満なんてあるわけない。
ずっとずっと期待してた。
私たち付き合ってるんだもの。
いつかはそういう関係になるんでしょう?
私だってもう大人なんだから。
圭佑さんと愛し合いたい。

私の返事を聞いた圭佑さんはとびきり甘い微笑みを落としてから、ゆっくりと優しく愛撫していく。

「んっ!」

勝手に自分から漏れる甘ったるい声は、どこか他人事のように耳を抜けていく。
圭佑さんの息づかいを心地よく感じているうちに、私の緊張も次第に緩んでいった。

私はその初めての快感に、ただただ身を委ねるだけだった。痛いとか気持ちいいとかそんなことに神経を注ぐ余裕はなく、とにかく柴原さんにしがみつく。

それはまるで夢のような時間だった。