午後の授業はとにかく眠い。
先生の話はいつもの如くつまらんし、聞いてても子守唄みたいなもんだから頭に入ってこやしない。
そしてやっぱ俺はなんだかんだいってツイてない。
この学校はさ、席替えとかないわけ?
ずっと出席番号順。
この席飽きた。廊下側でも窓側でもないから下手なことも出来ないしさ。前の列だし……。
ちょーつまんない。
あーあ、千桜の近くにだけでもいいからその辺の近い席になりたかった。むしろ米林と交換してほしいくらいだ。
チラッと後ろを見ると今にも寝そうな表情をした千桜が見えて思わず笑いそうになる。
必死に堪えてる様子で瞬きが激しい。
……ほんと、千桜は変わった。
でもそこまでする必要なくないか?
――俺じゃ、だめなの?
千桜はたぶん、いや絶対、あの約束を忘れてる。まあ、忘れて当然かもしれない。
だって俺が言ったんだから。その時からずっと千桜のこと想ってる。
なら俺が思い出させてやるしかないかな。
アイツになんか渡さない。
俺のこの選択が間違っていたことに気づくのは1時間後だということをこの時は知る由もない。



