「そーいえば千桜ちゃん痩せたよね?」
前のめりな体勢でそう聞く恵に「まぁね」と応える。
確かに千桜は痩せた。でも急激に痩せたように思えて心配してる。
ちゃんと食べてるのか聞きたいけど、向こうから拒絶されてるようにも思えて聞けない。
「で? 千桜のこと狙ってるとか言ったらぶっ殺すけど」
「あははっなわけないじゃん。やめてそんなおっかない事言うの〜」
「あっそ」
「ほんと恋て千桜ちゃんのことになると豹変するよね!」と笑って言う恵に鋭い視線を向けるけど、そんなの怖くないとでも言うように更に笑って跳ね除ける。
ほんとコイツにだけは何としてでも千桜を近づけるわけにはいかない。
……はあ、良い奴なのになんで女子のことに関してはダメ人間になるんだ。
ついこの間だって二股バレて両頬真っ赤にしてたくせに。よく飽きないよな。ある意味感心するわ。
恵曰く、『女ってちょろいし簡単に騙されてくれるから楽しいんだよね。特に自分モテてますよって女。ほんと馬鹿』という認識なんだと。
そう言ったあの時のあの笑顔忘れもしない。
お前の方が怖ぇよ。



