「あ、ちーちゃんおはよ」
「てかなに朝っぱらからため息なんて。なんかあった?」
おお……。す、するどいな。
バフっとリュックを置いて席に着く彼女に話を切り出す。
話し終えるとちーちゃんはなぜか舌打ちをした。
「ち、ちーちゃん……?」
「ああ。ごめん大丈夫。気にしないで。こっちの事情を思い出しただけだから」
ふぅんと聞き流すけども少し引っかかっる。
昨日恋ちゃんに言われたことを言っただけなのになんでそんなに恋ちゃんを睨んでるの?
あ、ああ、ちーちゃんの顔が……。
しかも少し聞こえた。
小さな声だったけど『後でしばいてやる』と。
し、しばく……?
「ちーちゃんそこまでしなくてもいいんだよ。もう済んだことだから。ね? 私もう怒ってないし、ね?」
「千桜は良くても私には良くないことなの。てかアイツ見てるとイライラする!もうほんと後でシバく」
指をポキポキと鳴らすちーちゃんの目の先には恋ちゃんが捕らえられてるはずなんだけど、その視線には気付いていない様子だ。
この勢いだと本当にしばかれそう……。
そう思うと、今笑ってる彼が可哀想に思えた。



