「な、なんでそんなこと聞くの……?」
やっぱ変だ。恋ちゃんおかしい。どうしちゃったの?
手を止めた恋ちゃんとまた目が合う。
今日は目が合う回数が多い。
近くにいるからだと思うけど、恋ちゃんから目を離そうとするとなんでか名前を呼ばれてまた視線が絡む。
私をじーっと見て、ふぅ、と息をつく。
「……ごめん俺帰るわ」
「え」
「ごめん変なこと聞いて。わすれて。じゃ」
私の部屋を出ていくその姿を見届けて、バタンと玄関を出た音に放心する。
あれ?どうしてこんなことに?
さっきまで勉強したり、笑って話してたよね?
アレ?
背を向けた彼を目で追いかけるだけしかできなかった。
ふとよぎる、『少しドキッとした?』が離れない。
ドキッとしたよ。だって近いんだもん。びっくりしたもん。
それを恋ちゃんは確認したかったの?
かくにん……。
なんのために?
それにあんな表情初めてみた。
少し見えた横顔はなぜか苦しそうだった。



