松原さんに作り方を教えてもらいながら栞を作っていく。
栞の形は至ってシンプルだ。
長方形の画用紙にシールを貼ったり、テープを貼ったりして装飾していくだけ。
最後にラミネートで加工して、上部に穴を開けてリボンを通せば完成。
周りからしたら地味な作業をしているかもしれないけど、案外楽しい。
結構な量だよ。2人合わせて30枚はある。
「すみません遅くなりましたっ」
黙々と作業していると後ろから突然声がしてびくりと肩が上がった。
それは晴菜ちゃんもで。
彼女はシールの位置がズレてしまったのか小さな声をあげてる。
なぜか息切れをしている先輩。
ごみ捨てから帰ってきただけなのに。
「ちょっと先輩のせいで猫がズレちゃったじゃないですか!」
まだ納得いってない様子の晴菜ちゃんは先輩の前に作り途中の栞を見せる。
たしかにズレてる。
本当はボールの上に乗せようとしたのだろう。
だけど猫ちゃんの位置はボールに顔面を強打してるようにしか見えない。
言い表すなら、空から降ってきた猫ちゃんがボールに顔面着陸って感じ。
つい可笑しくなって笑ってしまった。



