ハツコイぽっちゃり物語


チャイムが鳴ると同時にHRが終わる。
その途端、今にも飛び出して行きたい衝動に駆られた。

急いで机の中のものをリュックにしまって、ちーちゃんに「また来週」と手を振って図書室へと向かう。

今日は晴菜ちゃんは欠席。
急遽、バイトが入っちゃったんだって。
なんか久しぶりに味わう1人で図書室に向かうこの感覚。
ちょっぴり寂しい。


……てことは、今日私と先輩だけで作業をするんだなぁ。

と図書室前に来てからハッと気付いた。

さっきの楽しみはどこへ行ったのやら。

意識してしまった。
心臓がバクバクしてきたし。

先輩と、“ふたりきり”だ。


「が、がんばれ私」

そう呟いてドアを開けた。