ハツコイぽっちゃり物語


「千桜はさ、葵生先輩とどうなりたいの」

食べながらサラリと聞くちーちゃんにあまりピンとこない私は頭にハテナを浮かべた。


「? どうって?」

「付き合いたいとか思うのって話」

「――っ、ゴホッごほ……っ」

いきなり噎せるとちーちゃんは「ごめんごめん」と笑う。

慌てて私はペットボトルの蓋を開けてそれを一気に流し込んだ。

咬み途中だったキャベツが一気に食道を流れていく。

あ、危なかった。
つ、付き合いたい……?
先輩と?


「っ……ケホッ、そんなこと思ったことないよ」

「でも好きなんでしょ?付き合いたいとか思わないの?」

「す、好きだけど……無理だよ」

私と先輩が付き合うなんてそんなの恐れ多い。
無理。絶対。