「あ、こんな話をしたくてここに来たんじゃないんだった。それにしても本当はすぐ済む話だったんだけどね。ごめんね、俺があんな事言っちゃったからだよね」
“ごめんなさい”と頭を下げる先輩に私は慌てて顔を上げるよう言った。
どうやら先輩の友だちに『あれはさすがにヤバイ』と言われたらしく、急いで謝りに来たんだとか。
まあ、びっくりしたけど。
でもかっこよかった。
それに。
「先輩の気持ちがすごく嬉しかったです。私の方こそありがとうございます。感謝なんてしきれません」
「そっか。ならいいんだ。……でもやっぱあれはさすがにヤバかったかなぁ。もう過ぎたことなんだけど。あれは今言うべきだったなぁ。あはは」
思い出しているのか恥ずかしそうに額に手を当てて天を仰いでいる先輩にクスッと笑みをこぼす。
目と目が合って互いに笑い合う。
くしゃっとした笑顔にほっとした。
私も先輩の笑顔が大好きだ。それは今もこれからも変わらない。



