恋ちゃんはサラリと当然のように笑う。
それからおかしそうに喉をククと鳴らして笑いだした。
いつの間にかまた手が繋がれていて、その手に力が込められた。
やさしく包み込む彼の手は温かくて気持ちいい。
この手を離したくないと思いつつ、あともう少しで家に着くんだと思うと、あとで名残惜しくなっちゃいそうだからもう手を離してしまいたくなった。
でもこの貴重な時間を堪能しようと思う。
「ねえ、笑いすぎだよ」
「え?だってさぁ、か、」
「か?」
「か………――かなり?美味そうに?食べる、から?おもしろくて」
「なんで疑問形なの」
明らかに別なこと言おうとしたでしょ。
無理してるもん。そんな顔してる。
恋ちゃん、目が泳いでるよ〜。
「ごめんウソ。面白いってのはウソで。まあ、美味しそうに食べてる千桜は見てて飽きないし、それだけで満足してるとこあるし、まあ単純に好きだから。千桜のそーゆー顔」
「ふーん」
絶対別なこと思ってる。
本当はやっぱり太ってほしくてわざと私にあげてるんじゃないの。
でも、最後のそれはドキッとしたよ……。
あまり感情を顕にしないように、ジト目で恋ちゃんを見ると顔を逸らされてしまった。
聞こえないけど何かブツブツ言っている気がする。
ほんの少し耳が赤くなっている彼に気付かない私は深いため息をこぼした。



