「――書き終わった?」
頭の上から降ってきた声に心臓が瞬時に反応した。
ド、ド、ド。
顔をあげると先輩がっ、先輩が、目の前に、!
「ハイ」と返事はしたものの、その声は震えていた。
平常心で居なきゃとは思うけどなかなかに難しい。
手汗が酷くなってきた。
だってこんなに間近で先輩を見てるんだよ。
好きな人、だよ。
わずかに先輩の優しい香りにクラクラしちゃいそうでその場から逃げるみたいに図書室を出て行った。
そして我に返る――。
ぎゃあああ!
顔を見られた、!ムリムリムリムリ!
ど、どうしよう!
せせせ、先輩の顔間近で見ちゃったし、見られちゃったし!
私変な顔してなかった、かな!?
あーーーーーーーーもうどうしよう!!



