「あー、大丈夫。見てない見てない」
ニコーっと微笑むちーちゃんは今までにないくらい天使のような笑顔なのだけれど、Goodポーズをとることで怪しく見える。
これは絶対見えてた反応だ、と確信する。
「ちーちゃん恥ずかしいからそんな顔で見ないでっ」
「たまたま見えちゃったんだから仕方ないでしょ。そーゆー事は他でしてくださーい。ねえ恋」
「……なにが」
勉強してた手を止めた恋ちゃんが私をみた。
さっきぶりに顔を合わせるけど、恋ちゃんやっぱかわいい顔立ちしてて羨ましいなと思う。
私を見上げてるから若干上目遣いで、子猫みたい。目が大きくて小さい頃から変わらない。
ちーちゃんが恋ちゃんに耳を近づける。
その光景に私もよくやってたなと懐かしむ。
ちゃんと聞くように恋ちゃんはいつも横髪を耳にかけるんだよね。短いのに。それから目を合わせて頷くの。『わかった』と――。



