「まータバコ不味いし、
ちょうどいい機会だからタバコやめるわ」
「最初からやっちゃいけないんだってば」
「あーもうわかったよ。
あんま説教しないで。テンション下がる」
あ、また不機嫌スイッチ押しちゃった?
これ以上、高野くんの機嫌を損ねないように黙った。
高野くんが、コーラがいっぱいに入ったグラスを手に取ったから、
次は私の番だと思って一歩前に出ると
手に持っていたグラスを、パッと奪われた。
「……あ、私のグラス」
「何飲むの」
「え」
「何飲むの」
困惑する私に、もう一度同じことを繰り返す高野くん。
もしかして、入れてくれるの?
さっきまで不機嫌だったのに、ちょっと優しくしてくれてる…?



