「えがおさくーきーみーとーつーながってーたい♪」



「この歌持久走思い出すわー」


「「同じく…」」



佐藤さんの歌声を聴きながら、私を含む3人は渋い顔をした。


この歌、小学校の時の持久走で流れてたんだよね…嫌な思い出だ。(歌に罪はない)



そんなのお構いなしに可愛く歌ってる佐藤さんを見つつ、チラッと高野くんを盗み見する。


高野くんはスマホに夢中になっていて、とても声をかけれる状態ではない。


はぁ…と本日何回目かわからないため息をついたとき、


同時に、高野くんも大きなため息を吐いて。


スマホをテーブルに置いて、椅子から立ち上がった。



「あれ、高野どこ行くの?」


「飲みモン取りに」



まだ一曲も歌ってないのに、最初の一杯が空になってる。


はや、とか思いつつ、


もしかしてここで私も抜ければ、2人で話せるんじゃないかと思って。