高野くんもそれくらい鋭かったらいいのにな…。 「私は話すことないから」 「そっか。好きな人いないのか」 「うん」 嘘だけど。 いるって言って、根掘り葉掘り聞かれるのも嫌だし、『いない』って言っておいた方が楽だ。 * それから少しして、 二次会ということで、班のメンバーでカラオケに行こうという話になった。 高野くんとカラオケに行けるなんて、すごく嬉しい……けど 私と高野くんの間の空気は最悪のまま。