テーブルに戻ってから、ものすごい自己嫌悪に陥った。
はぁ〜〜…言い過ぎたかな…。
ダサいとか言われるの、高野くんのプライドを傷つけてしまったかもしれない。
……でも、そんな簡単なルールも守れない高野くんが悪いと思う。
こういう時、キツいことだけはハッキリ言えちゃうのがつらい。
好きってことは、何一つ伝えられないのにね。
はぁ〜〜とまたため息をついたとき、
向かいの席に腰を下ろした人が。
……高野くんが、戻ってきた。
さっきあんなこと言っちゃったし
目の前で、どんな顔すれば…。
「翔希おそーい。
早く乾杯しよ!」
「……あぁ」
佐藤さんに返事する声が、不機嫌そうだ。
……私のせいで、空気悪くしちゃったな…。



