その席へ歩いていくと、
『やっと来た!』と聞き慣れた声がした。
「三澤ドベだー」
「おそーい!」
「遅刻は、してないんだけどな」
湊くんと、バッチリメイクしてる佐藤さんが声をかけてきて、冷静に2人に返事した。
近くに来て、金髪の彼をチラッと見た。
髪色のせいで、ずいぶん雰囲気が変わったように見えるけど…
間違いない。
そこに座っていた金髪の男の子は、高野くんだ。
「みんな、早いね」
「楽しみで!」
「そっか」
私の言葉に、佐藤さんが笑って答えてくれる。
楽しみだったのは、私も一緒。
でも、早く来すぎたら会いたい気持ち強すぎって思われるんじゃないかとか、
とりあえずそんな妄想しちゃったから、ゆっくりにしちゃった。
これくらい素直に、楽しみだったって言える性格になりたいよ…。



