それから2人で、あの時はどう思ってたとか、思い出話をしていたら


駅に次の電車が止まった。



「人、降りてくるな」


「うん」


「そろそろ帰るか」



2人で立ち上がると、高野くんが「ん、」と手を差し出してきた。



「……?」


「家まで送る。
…手、繋ぎたいと思って」


「……うん!」



ちょっと照れくさそうな顔をする高野くんがかわいくて、愛しくて。


差し出された手を、ぎゅっと強く握った。