そう言った高野くんは、いつもの、意地悪そうな顔じゃなくて。
「早く」って言いながらも、熱っぽい視線で見つめてくるから…。
「……高野くんが好き…。だいすき」
小さな声だったけど、
高野くんの顔を見て、言えた。
「……たぶん俺の方が好きだけどね」
「えっ、嘘」
「だって三澤、最初に電車で俺に会った時、俺って気付かなかったでしょ」
「リュックに髪絡んじゃった時？」
「そー。
視線合わせなかったし」
「でも、高野くんもよそよそしかった」
「三澤が気付いてくれるまで知らないフリしてようと思ったら、まじで気付かねーんだもん。ショックだったわ」
「えー」
