あ。
「す、すみません」
「え」
「リュ、リュックに髪が引っかかってしまいました…!」
どうやら移動した時に、金髪の彼のリュックに私の髪が引っかかってしまってようで。
ごめんなさいと声をかけると、彼は私の髪を引っ張らないよう、慎重にリュックを下ろしてくれた。
「……解けます?」
「すいません…迷惑かけて」
髪を解くのにモタモタしてしまって、
睨まれてる気がして、涙目になってしまう。
焦っていると、上から
「……焦んなくてもいいっす。
俺がリュック、背負ったままだったのも悪かったんで。
ゆっくりで大丈夫っす。髪、傷つけないようにしてください」
そんな優しい声が聞こえて、それはそれで泣きそうになってしまった。



