だから顔見えない今だけは。
本当の気持ち、全部言わなきゃ。
「高野くん」
「ん?」
「もう、お店で言って、なんとなく察してるかもしれないけど、
私は、高野くんのことが好きです」
「……それ、冗談じゃ、ないんだよな?」
「冗談じゃないよ。
ずっと…小学生の時から好き」
「……まじかよ」
高野くんがボソッと呟いた言葉に、『まじです』って小さく返したら、
急に髪を左右に避けられて、うなじにツーってくすぐったい感触。
「…真剣な話してる時に、いたずらしないでよ」
振り返りはせず、うなじを手で隠した。
そしたら、今度は私の指に、高野くんの指が触れた。



