「本当は…冗談なんかじゃないよ…。


『高野翔希くんをください』って、本当に思って…言った」



「……プロポーズかよ」



高野くんにプッと笑われた。


笑わないって言ったくせに…！



「……嘘つき」


「今のは…そういうのじゃないじゃん」


「えぇ？」


「バカにした笑いじゃなくて、



……嬉しい笑いじゃん」



頭の上から降ってきた声が、本当に嬉しそうな声で。


なんで嬉しいんだろうって考えたら、急にドキドキしてきた。



「…ちょっと、あの、
髪、濡れてるから…ちょっと離れていいですか…」