「……おまえ、
嘘で彼女になるとか許せるタイプだったんだ?」


「…え…」


「そういうの、絶対怒るタイプだと思ってたのに。

……俺そんなやつ、嘘でも彼女にしたくねーんだけど」



今までの高野くんと、違う。


怒っても、どこか絶対に、相手の機嫌を損ねないようにフォローしてくる人だったのに…


今、私を見る目は…嫌悪感に溢れていた。


……本当に、不快な思いをさせたんだ。



「……ご、ごめ…」


「……仕事戻る」



高野くんは私に背を向け、


振り返ることなく、お店に入っていった。



……振り絞った勇気も、“友達”としての関係も…


全部…消えちゃった……。