「……山西さん、 私、行ってくる!」 「……がんばれ!」 山西さんの手が離れて、ポンと背中を押してくれた。 その励ましもあって、 さっきまで怖くて動かなかった足が、今は、喫茶店の方に向かっていた。 ───カランカラン お店の扉を開ける音がする。 その音につられて私の元へ来たのは…… 「あ、いらっしゃいませ」 ……真矢さんだった。