「恋ってそういうのじゃないんだよね」
「しーちゃん……
なんかカッコいい!!」
あたしもそんなこと言えるようになりたい!と由奈ちゃんは鼻息荒くして言った。
……別に、カッコよくなんてない。
結局何一つ、伝えられなかったんだから。
「そうだ由奈ちゃん、
数学のプリントやった?」
「あ゛っ!!
途中で諦めて、今日しーちゃんに聞きながらやろうと思ってたんだった〜!
教えてしーちゃん〜!!」
「はいはい」
あんまり、恋愛の話はしたくないな。
まだ引きずってるし、
思い返して、恋をしてた自分に酔ってるみたい。情けない。
一歩も踏み出せなかったくせに。思い出にばっかりすがりついてる。
……全然前、向けてないな。



