「お待たせしました」
高野くんがジュースを持ってきてくれた頃には、なんとか顔が赤いのを治めることができた。
よく考えたら、
まりなって子にも、その友達の子にも、高野くんは頭を撫でてた。
普通なんだよ、こんなこと。高野くんからしたら、誰にでもできること。
「…ありがとう」
「…ゆっくりしてけよ」
「……」
その言葉も、
深い意味なんてないんだ。
期待したり落ち込んだり、疲れた。
もう絶対期待なんてしないように、忘れるように、ズコココーっと音がするくらい勢いよくジュースを飲み干した。
「あ、おまえ…!」
「お会計お願いします!」
「早すぎだろ!」



