「三澤」
「え、」
注文を受けた高野くんは、すぐに居なくなるかと思ったのに
去っていく前に、
ぐしゃぐしゃと私の頭を撫でた。
「…!?」
「…じゃあ、ちょっと待っててな」
ちょっとだけ、照れくさそうにはにかんで、
高野くんは厨房の方へ歩いて行った。
え、え、
な、なんで…?
なんで、急に、
頭、撫でる…!?
頭の中パニックで、整理出来ない。
顔にすっごい熱が集まってる。
誰が見ても顔赤いって言いそうなくらい、
鏡見てなくても自分の顔が赤いのがわかる。
諦めようと思った時に、こんなことしないでほしい。
…やっぱり早く、断ち切らなきゃ。



