素直になれない高野くんと素直になりたい私。







放課後。


久しぶりに、平日の学校帰りに喫茶店に行った。



「いらっしゃい」


「……こんばんは」


「平日来るの、久しぶりだな」



高野くんが、笑ってる。


いつもの営業スマイルじゃない、ちょっと意地悪そうな顔で。


普通のことだけど、なんか普通じゃない気がして、胸のあたりがもやもやする。



「席、いつものとこでいい?」


「はい」



いつもと同じ席に座ったら、


高野くんにじーっとガン見された。



な、なぜそんなに見ているんだろう。


食事しろっていう、意思表示?



「……あのさ」


「…あ、はい」


「……友達から、なんか聞いた?」



……友達?



「高野くんの?」


「あ…いや。
なんも聞いてないならいい」