素直になれない高野くんと素直になりたい私。




「片想いは無縁か…
たしかにそうかもね…」



そう言う山西さんが、すごく、泣きそうな顔をしていて。



「…っ、ごめん、嫌な言い方した!?
山西さんのこと何も知らないのに…」



山西さんにとって、嫌なことだったかな。


申し訳ないって頭を下げると、山西さんは「わたしね」って呟いた。



「たしかに、片想いってのはあんまり経験ないよ。
けどさ…いつも、好きになった人のこと否定されてきた」


「え…」


「わたし、今まで恋をした人、年上ばっかりで。
今付き合ってる人も、バイト先の店長なの」



え!!


今、お付き合いしてる人がいるんだ…!


しかも年上かぁ…大人だ。