そうやって一歩も前に進めないビビリだから、簡単に諦められないんだ。
ラインも消せない。まだどっかで期待してる、自意識過剰な、臆病者。
自分がどれだけ恋愛に不向きなのか、よくわかるよ。
「んー…あとは、
高野くんが別の誰かを好きっていうのを目の当たりにするとか」
「それはかなり傷付く…」
「勇気出すか、深い傷負うかくらいしないと、いつまでたっても忘れられないと思うし、
ちゃんと吹っ切らないと、新しい恋しても高野くんを思いだしちゃうかもしれないよ」
…う……それもごもっともだ。
「……山西さんはいいよね。
好きになった人が他の人のこと好きとか、無縁そうで…」
ポソリと呟いたら、
山西さんは、フッと悲しそうに笑った。



