素直になれない高野くんと素直になりたい私。




ちょっとだけスマホをいじって時間を潰し、


長居しすぎかなぁって思った頃に、伝票を持って席を立った。



「帰るの早い」



その時ちょうど目の前を高野くんが通りかかって、不機嫌そうにそう言った。



「ジュース早く飲み終わっちゃって」


「だったら時間かけて飲むためにも、
コーヒー頼めよ。砂糖いれずに苦いままのやつ」


「……なんで時間かけてほしいの?」



いつもよりお金をかけるわけじゃないのに…


どうして?



「……!」



それを聞いた時、


高野くんがびっくりした顔を見せたかと思うと、ほんのり、頬が赤く染まった…気がした。



「……は、話し相手いた方が、
仕事楽しいから」


「あ、そう…」



でもそれ、別にこの間まで居た“まりなさん”とかでも…


あ、でも私のせいで来なくなっちゃったんだっけ。