オレンジジュースのグラスにストローを挿して飲もうと思ったら、


高野くんがじーっとガン見してきて、ものすごい飲みづらい。



「た、高野くん?」


「ん?」


「仕事戻らなくていいの?」



私の隣で突っ立っている高野くんにそう言うと、


高野くんは「そうだな」と言って小さくため息をついた。


そのタイミングで、「すいませーん」ってお客さんの声がして、高野くんはすぐにそっちに行ってしまった。



……なんだったんだ、今の。


……なんか…なんか、


離れたくなさそうな感じ、出してなかった…?



って、また自惚れ!!


ただ仕事に疲れて、休憩がてら誰かと話したいだけじゃん!?


いちいち期待すんな私!



バカヤロー!って思ってるその勢いでオレンジジュースをゴクゴク飲んでしまって、


グラスの中身はもう氷しか残ってなかった。