はは、と小さく笑って冗談っぽく言ったら、
高野くんが『あー…』と言いながら俯いて、頭を掻いた。
「……別に得しねぇけど、
得するんじゃね」
「……?」
なにそれ。
……哲学?もしくはなぞなぞ?
「…飲み物一杯だと、帰るの早いじゃん」
「あぁ…そうかも」
「だから……もっとゆっくりすれば?ってこと」
……あー。
それで長いこといるために食事しろってことか…。
時間をお金で買うようなものか…。なるほど。
「でも、やっぱり厳しいかも」
「……あー…そう」
金銭面がね…。
私もバイトすればいいんだろうけど、バイトしたらなかなかここに来れなくなる。
そしたら、今より高野くんに会う時間が減る。それじゃ意味ないよ…。



