「本当は飲み物一杯じゃなくて、
食事とかしてほしいんだけど」
伝票を置くときに、高野くんがそう言ったのが聞こえて、
え、と思わず驚いてしまった。
え…と、それは
お金をもっと落とせってこと?
たかが飲み物一杯じゃ、高野くんからしたら何も注文してないのと一緒?
私もあの子と同じなのかな…。
「食事もしてたら、
もう少し来る回数減っちゃいそ…」
ハッ…!
つまりは、
一回にもっと金を落とし、めんどくさいから回数来るなっていうこと…!?
「あー、お金?」
「……そう」
「だったらたまには俺が奢るし」
……ん?
奢るって…なんで?
高野くんは損するのに…?
「…なんで?
お金落としてほしいんだよね?」
「え?そりゃそうだけど」
「私に奢ったら、
高野くん得しないじゃん」



